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世界は狂っているから面白い

海外ニュースの紹介ブログ。映画好き。

シナモンが身体に良い理由。血糖値を下げるだけじゃない、シナモンの健康効果とは。

「めぐり逢わせのお弁当」というインド映画がある。

インド映画といえば、突然大勢で踊り出したりする荒唐無稽なミュージカル映画の印象があるが、この作品はそれとは違って、静かで落ち着いたほろ苦い大人のラブストーリーである。 

 夫のために作った弁当が別人に届けられてしまったことをきっかけに弁当を通じて文通をすることになった若い人妻と初老の孤独な男との心の交流を描いている。
wikipedia:めぐり逢わせのお弁当

お弁当が二人の縁を結ぶという物語なのだが、このカレー弁当が非常に美味しそうだった。

個人的にインドカレーが大好きなのだが、よく用いられるスパイスの一つであるシナモンが体にとても良いという記事をみつけた。

シナモンは以前から血糖値の急激な上昇を防ぎ、糖尿病の危険因子であるインスリン抵抗性を緩和すると考えられてきたが、詳しいところはまだ明らかにされていない。

米国生化学・分子生物学会(The American Society for Biochemistry and Molecular Biology.)で発表されたところによると、シナモンの働きは血糖値をコントロールするだけではなく、それ以上の働きがあると分かってきたそうだ。

Experimental Biology 2017

オハイオノーザン大学 Raabe College of Pharmacyの生化学教授Amy Stockertが発表した研究では、二型糖尿病患者において、日常的にシナモンを摂取したグループはそうでないグループに比べ血糖値の大幅な減少が確認されたという。

The Effects of Cinnamomum Cassia on Blood Glucose Values are Greater than those of Dietary Changes Alone
これらの効果のうちのいくつかは被験者がシナモンの摂取を止めても続いたそうだ。
それは、細胞レベルにおいてある変化が生じたからだと推察されるという。
そこから、シナモンにより誘発される遺伝子発現に関わるタンパク質が関係しているのではないかと仮定されはじめたという。


Amy Stockertの新たな研究(査読段階)では、Sirtuin-1(Sirt-1)というインスリン制御に関わるタンパク質に焦点を当てている。
Sirt-1はリスベラトロールによって活性化されるといわれている。
リスベラトロールとは赤ワインに含まれる抗酸化物質であり、よくアンチエイジングコレステロール減少効果について喧伝されている。
シナモンにはよく似たフェノール類が含まれており、これらの物質がSirt-1を活性化するのではないかと考えられた。
Amy Stockertはコンピュータモデルを用いてこの仮説を試したところ、シナモンフェノールはリスベラトロール同様、もしくはそれ以上の強い相互作用がSirt-1との間にあることが確認されたという。

これにより、シナモンに含まれるフェノール類もまたSirt-1を活性化することがわかり、シナモンの有用性を説明することが可能になった。
もしこれが真実ならば、シナモンは血糖値を下げるだけでなく、脂肪の代謝や細胞成長の変化や様々な細胞の発現にも影響を与えていることになるという。

また、以前の研究では血糖値の減少をみるため、被験者に1グラムのシナモンを投与する実験を行ったが、もっと少ない量、つまり食事や香りづけに使われるくらいの量でも効果がある可能性が示唆されるという。

この報告はシナモンの血糖値の制御を超えた効果について言及した初めてのもので、さらなる研究が待たれるところである。
少なくとも、シナモンを食生活に加えることは健康にとっては価値があるということだそうだ。

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チャイが飲みたくなった。

シナモン カッシャ (袋) 100g
 

ペペ・ザ・フロッグがご臨終。新たなヘイトシンボルは牛乳!?

前回書いたオルト右翼に関する記事の中でも紹介したが「ペペ・ザ・フロッグ」というネットでよく使われるミームがある。

もともとは4chanというアメリカ版の2ちゃんねるみたいな掲示板で生まれたカエルのキャラクターなのだが、いつしか人種差別的なシンボルとしてSNS上で用いられるようになったという。

この度、そのキャラの作者が自らそういった状況に憂慮し、ペペを葬ったという。

作者であるMatt Furieはペペが棺桶に入っているイラストを公開した。

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Pepe the Frog creator Matt Furie: Pepe is dead

ペペは近年、オルト右翼のような勢力に差別的シンボルとして用いられ、アドルフヒトラーKKKの恰好で描かれることがよくあった。

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#SavePepe — We're taking Pepe the Frog back from the alt-right racists | TheHill

Matt Furieはペペをのんびりとした平和的なキャラとして創造したのにも関わらず、レイシストや反ユダヤのシンボルとして使われるようになってしまったという。

特に去年の大統領選でその傾向は激しくなり、オルト右翼らのトランプ支持者に乱用されたそうだ。
2015年10月には"You Can't Stump the Trump"というイラストがトランプにリツイートされたことも話題となったらしい。

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Pepe the Frog creator Matt Furie: Pepe is dead

去年9月には、反ユダヤ主義を監視する組織「名誉毀損防止同盟*1」によってナチスの鉤十字やKKKのblood drop cross等と同じく、ヘイトシンボルのデータベースに登録されたという。
Hate Symbols Database | ADL

そういった動きもあって、オルト右翼の間では新たな差別的シンボルが採用されたそうだ。
それが「ミルク」である。
オルト右翼の急先鋒で名付け親でもあるリチャード・B・スペンサーはツイッターでロゴをカエルからミルクに変更した。

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Twitter suspends alt-right figureheads - BBC News

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Secret Nazi code kept hidden by ‘milk’ and ‘vegan agenda’

なぜミルクなのか。
白人は乳糖耐性を持っている人が多く、牛乳を沢山飲んでもお腹を壊さない。
それゆえ彼らに言わせれば白人は優等人種なのだという(もちろん半分ジョーク)。

そんなミルクを象徴的に使ったパフォーマンスが行われたという。
俳優のシャイアラブーフはトランプ大統領就任後からニューヨークの映像博物館前で「He Will Not Divide Us(彼に私たちを分断させない)」と題したライブストリーミング放送を行っている。
ここには多くの人が集まり、融和を呼びかける人々と熱狂的なトランプ支持者の間で度々小競り合いが起きている。
そんな中、トランプ支持者との間で喧嘩が起こり、シャイアラブーフは逮捕されてしまった。
シャイア・ラブーフ、トランプ大統領への抗議活動中に逮捕 | cinemacafe.net

彼不在の中、ライブ放送がオルト右翼にジャックされたそうだ。
それがこちらの映像だ。HWNDU Nazi partyで検索しても出てくる。

www.youtube.com

彼らは上半身裸でミルクをがぶ飲みするというパフォーマンスを行った。
映像を見る限り、このマチズモっぷりといいジョーク入ってる感じはやはりファイトクラブを彷彿とさせる。
ユーチューブのコメント欄は荒れていて「ハイル・ミルク」や「He Will Not Divide Milk」とか新たなミームになりそうなワードが散見される。*2

 

日本でも先日、京都のラーメン屋でヘイトスピーチが行われたとして話題になった。
「私に悪口した人を許してほしい」 ラーメン店で"ファッキンコリアン"と罵倒された韓国人が訴える

このように世界中にヘイトが広がっている現状で、今後も差別に関する問題は増えていくだろう。
実は、日本は単一民族国家で差別的だとしてオルト右翼たちの羨望の的なのである(先ほどの動画でも途中でカウボーイビバップの曲を流している)。
なんとも、不名誉な賞賛だが概ね当たっていると思う。
今後、移民が増えればもともと多様性に慣れている国と違って日本ではアレルギー的な反動が起こることは間違いない。
不寛容さに日本人自体が苦しめられているような状況なのに、ましてや外国人はなおさらの事。
個人的にはもっとでたらめな社会になれば面白いと思っているので、風通しが良くなれば移民が増えてもなんでもいいが、ヘイターが増えるのは不可避だろう。

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PEPE - iFunny :)

日本型ヘイトスピーチとは何か: 社会を破壊するレイシズムの登場

日本型ヘイトスピーチとは何か: 社会を破壊するレイシズムの登場

 

ちなみにシャイア・ラブーフの出演する映画は「ニンフォマニアック」がおすすめ。

主題歌を演奏するラムシュタインというバンドはネオナチ疑惑をかけられてるらしい。

ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2 2枚組(Vol.1&Vol.2) [DVD]

ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2 2枚組(Vol.1&Vol.2) [DVD]

 
最愛なる全ての物へ

最愛なる全ての物へ

 

 

*1:Anti-Defamation League 略称ADL

*2:ちなみに、彼らの他の動画ではShadilayという曲のリミックスが好んで使われていたが(トランプの演説をサンプリングしてある)、これはP.E.P.E.という80年代イタリアディスコユニットの曲でペペ・ザ・フロッグをもじって使われているようだ。ミームは入り組んでいて面白い。

オルト右翼はファイトクラブ!?ニヒリストたちのバイブル。

前回「T2 トレインスポッティング」について書かれたガーディアンの批評記事を紹介したが、その中でトレインスポッティングと対をなす作品としてファイトクラブについても言及されていた。

 ファイトクラブトレインスポッティングの3年後の1999年に公開された映画で、これもまた資本主義経済への批判が基盤となっている映画でエポックメイキングとなった作品だ。

レントンの「未来を選べ」にある「豊かな人生」そのものの生活を送るファイトクラブの主人公は、イケアのカタログに夢中な資本主義経済の奴隷で、生きてる実感を得られず不眠症を患っているという設定だ。ネタばれ全開であらすじをまとめてみる。
彼は夜な夜な末期がん患者の互助ミーティングに参加し、悲惨な状態に置かれた人々の話を聞き生の実感を撫ぜることで自己を保っていた。
しかし、次第に彼はタイラー・ダーデンという理想化した自己を投影したキャラクターを創造し、生の実感を取り戻すために週末バーの地下に集まって生身で殴り合う秘密組織ファイトクラブを結成する。
ファイトクラブは次第に過激になっていき、タイラー・ダーデンは破壊行為を扇動し、しまいにはビル爆破テロを企てるようになるという話だ。

ファイトクラブはしばしばナチズム、マチズモ、ミソジニー女性嫌悪)というキーワードでバッシングをうけた。
人間の脂肪で石鹸をつくるという発想はナチスで実際に行われていた事を彷彿とさせるし、元々ナチスが開発したフォレストワーゲン(ビートル)がファミリーカーになっているとして破壊するシーンもある。

これに関連して、ファイトクラブは現実のものになりつつあるという記事があった。

この記事では、ファイトクラブオルト右翼の類似性について述べている。

オルト右翼とはそもそも何だろうか。
オルタナティブ右翼、つまりこれまでの右翼の範疇に入りきらない新しい代替的な思想をもった右翼の総称で、特にこれといった特定の思想を持つグループではないという。
基本的には差別主義(反移民、反イスラム反ユダヤ主義)で女性蔑視が根底にあり、反宗教である点が共通しているそうだ。
4chan*1とのつながりも深く、ペペというカエルのキャラを差別的なシンボルとして多用し、リアルではあまり活動せず、組織化はされておらず、ネトウヨとの類似点も指摘されるという。
反グローバリズム、反エスタブリッシュメントの白人ナショナリストが多く、主流となっている価値観を全く信じておらず、徹底的にニヒリズムであり、全てが半分ジョークであるそうだ。この感覚はファイトクラブと共通する点でもあると思う。

この記事では一連のオルト右翼の活動とファイトクラブに出てきたアイディアとの類似点を指摘している。

Access Accepted第440回:北米ゲーム業界を揺るがす“ゲーマーゲート”問題 - 4Gamer.net

小児性愛を擁護する発言流出 オルタナ右翼「ブライトバート」幹部マイロ・ヤノプルス氏辞任、出版も中止

これらの事件はミソジニー(女性蔑視)とレイシズム(人種差別)が問題の争点となっている。

オルト右翼にはファイトクラブのファンが多いという。
あるオルト右翼の覆面ブロガーのハンドルネームはタイラー・ダーデンだったそうだ。

覆面ブロガーの告白、そして「オルタナ右翼」とは何なのか|WIRED.jp

また、リチャード・B・スペンサーというオルト右翼の名付け親が創刊している「Radix Journal」というネットマガジンがあるが、ここに記事を投稿しているハンニバル・ベイトマン*2という著者によるGENERATION ALT-RIGHTという記事ではファイトクラブのセリフの引用がなされている。

ガーディアンの筆者によると、このような現象は作品の読み違いがまねいてしまっているという。
タイラー・ダーデンはヒーローではなく、より良い世界を作ろうとしているわけでもないことが、映画だけでなく小説版を読めばよくわかるという。
小説では、ファイトクラブは結局ただの盲信的な犯罪集団になってしまうという落とし穴が描かれているそうだ。
作者チャック・パラニュークは良い物語が良い世界を作ると明言しているが、ファイトクラブは意図したものとは違った形で解釈されていると筆者は述べている。

しかし、オルト右翼たちはアンチのニヒリストだから、たぶん世の中を良くしようなんてこれっぽちも思ってないだろうと思うし、この記事を読む限り永遠に平行線を辿る気がする。
現状に不満を持つニヒリストたちが破壊的な思想を持って面白がっている状況なので、そこに真面目に真っ向から立ち向かっちゃダメだと思う。
そういった思想が出てくる背景をしっかりと見極めるべきで、正しさで応じようとしても暖簾に腕押しになるだけだ。
まあ、とりあえずファイトクラブは映画版しか観たことがなかったので、今度小説を読んでみようと思う。 

 

*1:アメリカ版の2ちゃんねる

*2:羊たちの沈黙ハンニバル・レクターとアメリカンサイコのパトリック・ベイトマンから引用

「T2 トレインスポッティング」を観た。「未来を選べ」がおっさんの泣き言になっていた。

「T2 トレインスポッティング」を観た。

 96年の映画「トレインスポッティング」の20年後を描いた続編だ。

 トレインスポッティングスコットランドエディンバラという町に住む自堕落なヘロイン中毒の若者たちを描いた群像劇である。
中でも、ユアンマクレガー演じるレントンが発する「未来を選べ」というフレーズが有名で、多くの人々の心を打った。

「人生を選べ。仕事を選べ、キャリアを選べ、家族を選べ、くそったれな大型テレビを選べ。洗濯機を、車を、CDプレーヤーを選べ、電動缶オープナーを選べ、健康を、低コレステロールを選べ、保険を選べ。友人を選べ。未来を選べ。 それが「豊かな人生」だ。だが俺はご免だ。豊かな人生なんか興味ない。理由なんてない。ヘロインだけがある。」

資本主義的な価値観に生きる意味を見出せない主人公が「何も選ばない」という選択肢としてヘロインを選ぶという究極の皮肉がこの作品の肝だった。
ラストシーンはこんなごみ溜めにいちゃダメだという一心でヤク断ちしてそこから抜け出すのだが、彼は別に新しい人生の価値を手にした訳ではなかった。
つまり、レントンが最後に「豊かな人生」を選んだのも単なる皮肉の裏返しである。
No Futureの精神を体現したような作品で、明るくポップにどうしようもない絶望が描かれている。

ガーディアンに「T2 トレインスポッティング」の批評記事があった。

この記事では、トレインスポッティングの未来を選べというフレーズがその続編の「T2」でも引用されているが、それが現代でも通用するかについて書いてある。

今回の続編でもレントンは「未来を選べ」フレーズを披露するのだが、この記事によるとそれが時代に乗り遅れたおっさんの泣き言にしか聞こえないという。

レストランのシーンで、レントンブルガリア人のセックスワーカーであるヴェロニカに「生き方を選べ。フェイスブックツイッター、インスタグラムを選べ、どこかの誰かが気にしてくれるのを期待して・・」「みんな何かの中毒者だ、何かに依存して生きている」云々と「未来を選べ」フレーズを披露する。
このシーンは予告編でも使われていて、映画のハイライトの一つとなっている。
しかし、白人特権の中年親父の泣き言を聞かされる彼女が可哀そうだというのが記者の意見だ。

私はこのシーンは一種のファンサービスだと思うし、意識的に無理やりミレニアル世代のマテリアルを取り入れて、「未来を選べ」をなぞっているだけで大した意味などないと感じる。
そもそもエポックメイキングな作品の続編なんて前作以上にうまくいくはずはないので、それなりにファンにおもねったサービスシーンで構成するのが常套手段だ。
しかし、皮肉たっぷりの時代精神を体現していた感性の鋭い作品でそれをやってしまうと、懐古趣味にしか感じず失望する人は多いだろう。
だが、今回の「T2」はちゃんとそれを自虐的なコメディにできている点が非常に好印象だ。
レントンとシックボーイはまるで恋人のように過去のサッカー観戦で盛り上がって、昔の話しかしないし、ベグビーは刑務所に入っているし、スパッドは相変わらずヘロイン中毒だし、みな時代に取り残されていてダサくて悲壮感たっぷりだ。
「未来を選べ」のフレーズは空振りして、結局何一つ手にすることが出来ず、悲惨な結末が待っていたという嫌な話である。
「T2 トレインスポッティング」は自虐に徹していてコメディ要素たっぷりで、一番いい形で作れた続編だと思う。
個人的にはセックス・ピストルズの再結成ライブを彷彿とさせる。

特にラストシーンで流れるIggy popの「Lust for life」のリミックスにはグッと来た。 

Ost: Trainspotting 2

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トレインスポッティング〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV)

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「はあとぶれいく」でハートアタック!?深い悲しみは肉体にも影響する。

英語では悲観に暮れること、胸が張り裂けるような思いを「Heart Break」という。
例えば、身近な人を失った時に「Heart Break」を感じるのだが、実際にこの事が深刻な心疾患をまねくことがわかってきた。

Open Heartという科学ジャーナルに発表された論文によると、パートナーと死別した人は心房細動や不整脈の有意なリスク増加が認められるという。
ストレス心筋症、またはブロークンハート症候群と呼ばれるこの現象について長年研究がされている。
これは例えば配偶者の死のような大きなストレスがかかる出来事に際して、心臓発作が起きそうな感覚がするというもので、動脈が詰まったわけでもないのに呼吸が浅くなり、胸が痛むといった症状を含んでいる。
これは情緒的な出来事を引き金に、ストレスホルモンが波のように押し寄せるために起こると専門家は考えているという。

デンマークで88,600人の心房細動と診断された人々を調査したところによると、41%の人が配偶者を失った最初の月に心房細動を発症しやすくなり、さらに1年間はそのリスクが高くなることがわかったという。
また、それらの傾向は特に配偶者が突然死したより若い人々の間で顕著であったそうだ。
ブロークンハート症候群は他の病気と病理学的には異なっているが、共通する点としては、体内の炎症を悪化させ、中枢神経のコントロールバランスを崩すことが挙げられるという。
研究者によると、運動やヨガ等で心を落ち着かせると症状は緩和するという。

まだ研究途中なので因果関係は完全に証明されたわけではないが、深い悲しみは精神だけでなく身体にも大きな影響を与えることは理解しておいた方が良いだろう。

人間は理性があるので、ついつい論理的なものだと自分を認識しがちだが、まさしく血の通った情緒的な存在であることを忘れてはならない。

はあとぶれいく

はあとぶれいく

 

 

芋虫が世界を救う!?プラスチックを食べる幼虫を発見。

 以前、プラスチックごみによる環境汚染が深刻なレベルに達しているという記事を書いた。

yagimiyag.hatenablog.com

yagimiyag.hatenablog.com

この度、なんとプラスチックを食べる芋虫が見つかったという論文がCurrent Biologyという科学ジャーナルに発表されたらしい。

どうやってプラスチックを食べる芋虫が世界を救うのか
(記事タイトル意訳)

ハチノスツヅリガの幼虫は巣虫と呼ばれ、ハチの巣に寄生し蜜蝋を食べる性質がある。
するとハチの巣が壊れてしまうので、ヨーロッパでは広く害虫と認識されているそうだ。

しかし、この奇妙な性質が環境問題の解決につながるかもしれないという。

スペインの養蜂家がハチの巣からこの害虫をつまみ出し、プラスチック袋に入れておいたところ、袋をもぐもぐ食べて小さな穴がいくつも開いていたという。

そこで、この害虫を利用して、近年問題となっている自然界に捨てられているポリエチレン(生分解性でない)を減らすことが出来るのではないかと考えられた。

研究者たちはどのようにプラスチックを消化しているのか調査したという。
その結果、芋虫は近年試みられている他の方法よりも素早くポリエチレンを分解したそうだ。
まだ、研究段階だがこれが応用できたら、環境負荷が大きいプラスチックを減らせるかもしれないという。

もし、一つの酵素がこの化学的なプロセスで働いているならば、生物化学的な手法を用いてその酵素を大きなスケールで生産することが可能になるという。
また、芋虫が単に咀嚼しているだけでなく、化学的な反応によって消化されるのかどうか、芋虫を潰してそれをプラスチックに塗って同様の結果が得られるかどうかアナログな手法を用いて確認するそうだ。

もしも、この現象をバイオテクノロジー的に利用することが出来れば、プラスチックを分解できる薬が開発されるかもしれない。

テクノロジーによる汚染をテクノロジーで解決できたら一番スマートだと思う。

はらぺこあおむし エリック=カール作

はらぺこあおむし エリック=カール作

 

 

チーズで肝臓がん予防!?チーズとワインは健康的にもリーズナブル。

 「シェフ」という映画がある。

この映画は、職を失った敏腕シェフがフードトラックでうまいもんつくって全国行脚しながら再起を図る話なのだが、フードポルノと評されるようにとにかく飯が美味しそうに撮られているのが印象的だ。
中でもチーズサンドが死ぬほどうまそうだった。

こんなん食ってたらめっちゃ太るだろうな~と思ってたけど、チーズは肝臓に良いというニュースがあった。

チーズを食べることで肝臓がんは防げる。
(記事タイトル意訳)

チェダー、ブリー、パルメザンチーズにはスペルミジンと呼ばれる物質が含まれているという。
スペルミジンは肝細胞の損傷を防ぎ、ガンの発生を妨げるそうだ。

多くの人は太るからという理由で日常的にチーズを食べるのに抵抗があるという。
しかし、スペルミジンは肝線維症*1や肝細胞がん(HCC)*2を防ぐのに役に立つという。

肝臓の病気はイングランドウェールズでは5番目に多い死因で、肝細胞がんは毎年新たに報告される約5,500人の肝臓がん発症の半数を占めるそうだ。

マウスに生涯スペルミジンを投与する実験の結果、寿命が25%延びたそうだ。
もし、人間でも同様に寿命が延びるとするならば平均寿命が80歳だとして100歳にまで達するかもしれないという。
今後は、スペルミジンがサプリメントとして摂取できるかというさらなる研究が待たれるという。
なお、マッシュルーム、マメ、コーン、全粒穀物にも同様の働きがあるらしい。

ワインを飲むときにチーズをお供にするのは食品機能的にも理にかなっていることだと思った。

*1:肝線維症はコラーゲンを主成分とする結合組織が、肝臓内に増加してしまうこと。
通常は結合組織の分解と生成のバランスが取れているが、病気やアルコールによる炎症で肝細胞が破壊された場合、結合組織同士がくっついて肝臓内に蓄積してしまうことで発症する。
線維の量がさらに増え続けると肝臓が硬くなってしまい肝硬変や肝臓がんになるという。

*2:肝臓がんの中で最も多い病態。