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世界は狂っているから面白い

海外ニュースの紹介がメインのオピニオン系ブログ。映画好き。

電気椅子や銃殺刑に逆戻り!?アメリカの死刑を巡る論争とコブラ効果。

社会

デッドマン・ウォーキング」という映画がある。

 死刑間近の死刑囚をじっくりと描いていて、特に、死刑執行のシーンはリアルでかなり心が苦しくなる。
ショーン・ペン演じる死刑囚はもちろん弁解の余地のない犯罪者なのではあるが、それでも死刑というのは究極に残酷なもので、死刑という制度について考えされられる映画である。

死刑の是非については議論があるので一概には言えないが、なるべくなら苦しくない方法で殺した方が良いのではないかと個人的には思う。
罪を犯した人間なのだから苦しめて良い、という発想は生命の根源的な価値への侵害であり、一般人による殺意の発露に他ならないと思うからだ。冤罪の問題もある。
殺してはいけないというルールを守れない奴は殺す、というのは矛盾していると思うが、しかし、死刑賛成の感情論というのもわからないではない。
そんななか、アメリカでは死刑の現在に関するニュースがあった。

アメリカでは1999年をピークに死刑は徐々に減少しているという。
1994年、80%のアメリカ人が死刑賛成だったが、今日では60%まで下がったそうだ。
というのも、薬物注射による処刑方法が人道的であるかどうかという議論が紛糾しているためである。

・アメリカの死刑の現状
31の州では死刑はいまだ合法だそうだ。
19の州では死刑が行われていないという(ワシントンD.C.でも)。
また、2009年からコネチカットデラウェアイリノイ、メリーランド、ニューメキシコでも死刑が廃止になったようだ。*1

しかし、過去6年の間に17の州で260人が処刑されているという。
テキサス、フロリダ、ジョージアの3つの州で全体の半分以上を占めるそうだ。

・代表的な処刑方法
最も一般的な方法は薬物注射で、死刑を現行している31の州で最も用いられる方法だという。
1982年にテキサスで最初に薬物注射が行われ、アメリカではいままでに薬物注射で1444人を処刑したらしい(171人だけは違う方法だった)。

薬物注射は3つの薬物を必要とする。
まず、1つ目(チオペンタールナトリウムもしくはペントバルビタール)で死刑囚を眠らせ、2つ目(臭化パンクロニウム)で麻痺させる。
そして3つ目(塩化カリウム)で心臓を止めるという。

・死刑に用いられる薬物の禁止
しかし、処刑に用いられる薬物は入手しづらくなってきているという。
2010年ヨーロッパの薬品会社がそれらの薬物のアメリカへの輸出を禁止したそうだ。
イリノイを拠点にする会社ホスピーラもチオペンタールナトリウムの製造をやめ、デンマークの会社ランドベックはペントバルビタールを禁止したらしい。
イギリスはチオペンタールナトリウムの輸出を禁止し、EUは2012年、死刑に使用される薬物の規制を公式に発表したという。

・代替案はうまくいっていない
これを受けて死刑執行州は新たな代替薬物を探し始めたという。
そして、ある州はミダゾラムプロポフォールといった他の薬物を採用したそうだ。

しかし、2014年に訴訟の数が上昇した。
この年にミダゾラムを使用した多数の処刑が行われたが、死刑囚をうまく処刑できなかったそうだ。
オハイオ州のDennis McGuireは死亡するまでの10分間苦しそうにあえぎ痙攣したという。
アリゾナ州のJoseph Woodは死ぬまでの二時間、息苦しそうに空気を飲み込む仕草をしていたそうだ。
オクラホマ州のClayton Lockettは43分間苦しんだ後、心臓マヒで死亡したという。
これらのケースを受けて州では見直しを検討しているが、幾つかの州では死刑囚の弁護士たちがこれらの処刑に合憲性があるのかどうか訴訟を起こしたという。
しかし、まだこのような例は続いていて、アラバマ州のRonald Bert Smith Jr.は13分間苦しそうにして死んだという。

・処刑方法が昔に戻っている
2014年、テネシー州は代替薬物が見つからない場合、電気椅子を使う可能性について述べたという。
翌年、ユタ州では銃殺刑の再導入に関する法案が通過した。
そして、今月アーカンソー州は薬物注射が出来なくなる前に、8人を連続で処刑する予定だという。
しかし、連邦政府は処刑を停止する判決を下したそうだ。
なお、州政府は上訴する見込みだという。

EU諸国や薬品会社は死刑に反対するために薬物の規制を行ったのに、それが見事に裏目に出てしまったという感じだ。wikipedia:コブラ効果
日本では昔から絞首刑というのはお決まりで、このように議論されることもほとんどない。
一部の人権団体を除いて社会における関心も低いようだし、死刑は当然であるという世論が根強いと思う。
社会というものの捉え方や個人が生きる価値を考える事に直接的につながると思うから、死刑についてもう少し考えてみても良いのではないかと個人的には感じる。

 

*1:ネブラスカでも2015年に死刑廃止になったが、2016年に復活した。

タバコがテニスひじを治す!?新たな再生医療の可能性。

テクノロジー 健康

 「サンキュー・スモーキング」という映画がある。

 タバコ業界の広報サラリーマンが嫌われ者の煙草を擁護するために健康被害との因果関係は無いと宣伝したり、肺がんになった広告塔タレントに金をつかませてもみ消そうとしたり、「正しくない」立場で色々な裏工作をする映画だ。

タバコ=悪と単純化してものを見る人達への皮肉も含まれているブラックコメディーで、物事を白黒の二択でみる危うさが描かれている。

今や害悪の代名詞であるタバコだが、そんな白黒がひっくり返るようなニュースがあった。

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タバコ植物がテニスひじの治療に用いられるという。

近年、葉っぱにヒトコラーゲンを多く含む遺伝子組み換えタバコ植物が開発されたそうだ。
科学者は、タバコ植物からヒトコラーゲンのレプリカの生産に成功

コラーゲンは腱や靭帯、骨、皮などの結合組織の主な構成要素である。

テニスひじは、ひじの炎症の事でエクササイズ中やパソコンのキーボードやスマホ等の日常的な繰り返し運動でも起こるという。
繰り返し運動によりコラーゲンを含む結合組織が変性し、強度を失って傷付きやすくなり、その結果、炎症につながるそうだ。
主な治療法はアイシングや痛み止めで、手術は効果的ではないという。

新しい治療技術では、まず患者から血液を採取し、分離プロセスを経て、血小板が豊富な画分をつくる。
血小板は集まる性質があり、治癒を促進させるのに必要な成長因子を含んでいる。
この血小板をタバコ植物から抽出したコラーゲンと混ぜ、患部に再注入することによって治癒させるという。
植物由来のコラーゲンを用いるのは感染症のリスクがないからだ。
この方法は糖尿病の潰瘍、静脈性潰瘍、床擦れ、火傷等の慢性的な疾患の治癒にも用いられるという。

これは再生医療の新たな進歩であり、今後は他の部位にも応用できるだろうと言われている。

タバコ業界は昨今の禁煙ブームのあおりを受けて、喫煙人口が減少し斜陽産業となったが、医療の分野でこれから伸びていくかもしれない。
遺伝子組み換え植物には賛否両論あるが、こういった医療技術での利用は賛成である。黒を白に反転させるテクノロジーの進歩は凄い。

機械が人間を支配する!?ロボットに仕事を奪われる日。

テクノロジー 経済

SFでは「機械によって支配される社会」というのはディストピア的設定としてよくあるものだ。
あのマトリックスターミネーターも機械に人間が支配される物語で、昨今言われている「シンギュラリティ」*1のイメージはこれらの映画によるところも多分にあるのではないかと思われる。

マトリックス (字幕版)
 

 実際に機械の進歩は著しく、人間の仕事が危ぶまれているという。

ロボットの台頭 労働者にとって「進歩」が意味するものとは

(記事タイトル意訳)

・単純作業はロボットまかせ。しかし、ハードウェアの進歩は遅れている。
ロボットの方が単純作業は速くて正確で、そのうち倉庫作業の仕事は全てロボットに取って代わるという。
今でも既に半々になっており、アマゾン倉庫では人間がピッキングをやりやすいように、ロボットに商品棚を持ってこさせるそうだ。
これにより、作業効率は4倍になるらしい。ここではロボットと人間が並んで作業を行うという。

世界のロボット”人口”は急速に増え、産業用ロボットの売り上げは毎年13%ずつ上昇している。ロボット”出生率”はこの五年で2倍になったそうだ。
レタスをつまんで入れたり、バーテン、病院のポーター等、より多くのことができるようになってきている。
より安価で性能の良いセンサーを搭載したり、身体のバランスを改良したりと、ハードウェアは進化してきた。
しかし、まだ我々がかつて期待した程のことはなかなか出来ないという。

・ソフトウェアの進歩が仕事を奪う。
しかし、ソフトウエアの分野での進化がいま話題になっている。
人工知能の研究は加速しており、特に、囲碁やチェス、メールのスパムフィルターフェイスブック写真の顔認識等、一つの事に特化したAIの進歩は目覚ましいという。
しかし、この狭義の意味でのAIが経済の在り方を大きく変化させている。

簿記やカスタマーサービスの点では、ソフトウェアがホワイトカラーの仕事を奪っているそうだ。
また、ソフトウェアがベテラン弁護士と同じレベルで、法廷で勝訴する主張ラインを指し示す事が出来るようになっているという。
さらに、投資のアドバイスや金融市場とスポーツの速報をアルゴリズムが自動で行うようになった。

今後は、仕事と生産性が分離していくという。
歴史的に、より良い製品は雇用と賃金を上昇させてきた。
しかし、学者によると今世紀に入ってからアメリカでは、生産性は改善したが雇用と賃金はもはやついてきてないという。

テクノロジーが仕事を奪うのは目新しいことではない。
200年前のラッダイト運動がそうだった(1811年から1817年頃、イギリス中・北部の織物工業地帯に起こった機械破壊運動である。)。
ラッダイト運動は「テクノロジーが新たな仕事をつくる」という理屈に反対したものだった。
今起こっていることはまだ議論の余地があるが、人間に残された仕事はどんどん悪いものになっていくかもしれない。

・ロボットの脳が人間の身体を動かす時代
実は、ロボットは今のところ身体(ハードウェア)よりも脳(ソフトウェア)の方がテクノロジーとして進歩している。
ロボットは飛行機の運転や金融業におけるトレードシェアはできるが、トイレ掃除はまだ出来ないという。
アマゾンの倉庫では19個の同じ品を棚からとらなければいけない時、ロボットが人間に5つ、5つ、5つ、そして4つとりなさいと命令するという。その方が一気に19個取るよりエラーが少ないからだという。
もし、思考でロボットが人間に勝るなら、人間はピッキングではロボットに勝つかもしれない。
人の身体をロボットの脳がコントロールする時代になるのかもしれないという。

ロボットに使われる社会なんて、かなり嫌な感じだが理屈としては今後そうなっていくんだろう。
しかし、ロボットのハードウェアがもっと進化し、人間に取って代わったら、それこそ経済活動に人間が要らなくなってしまう。
実際そうなったら、どうなるんだろう。
人間は働かずに機械にお世話してもらうのだろうか。
そもそも、お金の価値はどうなるんだろう。
ちょっとわからないことだらけだが、少なくとも今後、一番必要とされるのは哲学なんだと思う。
攻殻機動隊もテクノロジーの進歩によって人間という存在のあやふやさが浮き彫りになり、人間そのものの定義が揺らぐ、というのをテーマにしていたし、AIという人間のようなものを作っていく過程でじゃあ一体人間ってなんだ、どこからが人間なんだ、というところに立ち返っていくんだと思う。
そうなったときにどう生きていくのか、生きる価値はどこにあるのか、どんな答えを人類が出すのかは興味がある。

シンギュラリティ:人工知能から超知能へ

シンギュラリティ:人工知能から超知能へ

 

 

*1:人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事。

ゴールデンゲートブリッジは自殺の名所!?その理由と政府の対策。

ライフスタイル 健康

ゴールデンゲートブリッジはアメリカで最も美しい建造物の一つだ。wikipedia:ゴールデン・ゲート・ブリッジ
映画にも凄い頻度で登場し、クラシックなものではヒッチコックの「めまい」、最近では「ベイマックス」や「GODZILLA ゴジラ」等、枚挙に暇がない。

しかし、この美しいゴールデンゲートブリッジだが、実は世界一の自殺の名所でもある。
「ブリッジ」という映画がある。

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 観光の名所として知られるゴールデンゲートブリッジ。そこに1年間カメラを設置し、自殺者の様子をカメラに収めた。後に遺族にインタビューをし、そこから自殺を図る人々の様子を映しだそうとしている。 映画の中では24人が、橋から66メートルの高さから海面に向かって飛び降りている。wikipedia:ブリッジ (映画)

この映画は橋にカメラを設置し、実際に飛び降りる人々を映したという衝撃的なドキュメンタリーだ。*1

ゴールデンゲートブリッジでの自殺者は今までに1300人以上は確認されており(2000年代後半時点)、遺体が上がってこない場合や、駐車場にある不自然な車の数からすると2000人近いだろうという。
また最近では、2016年に確認されたもので40人、未確認のものでおよそ200人以上が飛び降りているようだ。

そんな状況を変えるために、政府は2億ドルを投じて橋に自殺防止ネットを設置するという。

今週火曜日に、カリフォルニア州政府は自殺防止ネットを橋の両側へかける工事の開始式典をおこなった。
完成すれば、多くの命が救われるだろうとみている。
工事は2021年に完了するとみられている。
ネットをかける距離は1マイル(約1.6㎞)以上もあり、強い海風にさらされる環境にあるため多額の費用がかかるという。
計画ではステンレスネットを橋の6m下に設置し、へりから海に向かって6m程伸ばすそうだ。合計でフットボールのフィールド7つ分になるという。
もし、飛び降りた場合に骨は折れるだろうとみられる。
ネットに落ちた後にさらに、その先から飛び降りた場合は仕方がないが、最初の段階で諦めてくれることを期待しているという。

なぜ、人々はゴールデンゲートブリッジで自殺するのだろうか。
調査によると、理由の1つは神秘的なイメージがある点だという。
太平洋に突き出した美しい橋は、その名前から来るイメージとともに、スピリチュアルな世界へ繋がる黄金の扉だと連想されるようだ。
また、橋から飛び降りると痛みがほとんど無いと信じられているという。

もう1つの理由は、簡単に自殺できるという点だという。
橋は観光地でもあるため、バス停も駐車場も沢山あり、アクセスが容易であるため自殺者が多いという。

自殺にはうってつけの場所というイメージとアクセスの簡単さが自殺志願者を惹きつける主な理由のようだ。
そのため例えば、サンフランシスコとオークランドにかかるベイブリッジは同じような建造物だが、それほど自殺者は多くないという。

景観を損ねるため今回の対応策に反対する向きもあるようだが、政府は公益を守るために仕方がないとしているようだ。

日本でも自殺は大きな社会問題となっている。
有名な自殺の名所としては富士の樹海が挙げられるが、これもミステリアスなイメージとアクセスの容易さがあると思う。自然のスポットは防止策が非常に難しいという。
自殺防止の政策として、ホットラインの設置や駅構内のブルーライト取り付けなど様々なものが検討されているが、これも果たしてどれほどの効果があるのだろうか。

自殺の問題は根本的に命に対する考え方が間違っているのが原因だと思う。
別に、餓死するわけでもないのに、わざわざ自ら死を選ぶ必要なんて本来はない。
子供の自殺なんて、そもそも一体誰が吹き込んだのだろう。
観念として自殺が当たり前に存在する社会になっている。
社会が命の価値を認めてないからこんなことになるんだろう。
死なない限り問題は無い。この言葉をいつも心にとどめておきたい。

I wish you would step back from that ledge my friend.
僕の友だちよ、君がそのへりから一歩下がってくれるとうれしいよ。
Third Eye Blind「Jumper」

  

Third Eye Blind

Third Eye Blind

 

 

死なない限り問題はない (GUFT 1)

死なない限り問題はない (GUFT 1)

 

 

*1:なお、ルールとして、橋のへりに足をかけた人を発見したら通報はしていたという。

ファインディング・ニモの故郷が破壊される!?グレートバリアリーフの白化と地球温暖化。

環境問題

ピクサーによるCGアニメ映画に「ファインディング・ニモ」という作品がある。

ファインディング・ニモ [DVD]

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内容(「キネマ旬報社」データベースより)
グレート・バリアリーフを舞台に、魚の親子の絆を描くディズニー感動アニメ。父・マーリンの目の前でダイバーにさらわれてしまったニモ。広い海の中から息子を見つけ出すために、ニモの行方を知っているというドリーと共に、マーリンの大冒険が始まる。
出典:amazon.co.jp

 ピクサーの作るアニメは子供が見て楽しめるの同時に、大人が見ても考えさせられるように重層的な仕掛けがあって非常に深い。

例えば、このファインディングニモだが、メインストーリーはクマノミの子供ニモが迷子になってしまい、それを父親のマーリンが仲間と助け合いながら探しに行くという物話で、親子の絆やその仲間との友情が描かれている。
しかし、その背景には海中の多様な生態系や人間による環境汚染や乱獲がテーマに取り入れられている。
また、海中の多様な生態系と人間社会における多様性を重ねて描いていてとても上手い(ニモのヒレは不揃いで軽い「障害」があり、過保護な「父子家庭」であり、さらに親友のドリーは「健忘症」である。)。

このニモの舞台となっているのがオーストラリアのグレートバリアリーフだが、そのサンゴ礁の白化が問題となっている。

 グレートバリアリーフとはオーストラリアにある南北2600kmの長さを誇る世界最大のサンゴ礁群の事だ。wikipedia:グレート・バリア・リーフ

去年から、グレートバリアリーフの白化が問題となっている。
サンゴの白化とはサンゴが弱っている、もしくは死んでしまっているという事だ。
サンゴは褐虫藻という藻類を体内に飼っており、そいつが光合成をして作り出したエネルギーを利用して生きている動物である。
環境ストレスにより褐虫藻光合成できなくなると、サンゴは弱って白化し、そのまま回復しないと死滅してしまうという。
なお、死んでしまう前に環境が回復し、褐虫藻が再度光合成できるようになるとサンゴは復活するらしい。
サンゴは環境ストレスに弱く、地球温暖化が白化の主な原因だとされている。

2017年4月10日(月)に発表されたヘリ調査の結果によると、2年連続サンゴの白化が進んでいるという。
2016年の調査では、北部のサンゴのほとんどが白化していたと報告された。
そして、今回2017年の調査では中部にまで白化が広がっているようだ(約480kmほど)。
これにより、サンゴの白化は全部で約1500kmにまで広がり、白化してないサンゴは現在、南部にしか残っていないという。
つまり、グレートバリアリーフの約2/3のサンゴが白化したということだ。

オーストラリアのグレートバリアリーフは年間35億ポンド(約4800億円)の経済効果があり、69,000人の雇用を生み出している。
これは、政府にとっては環境問題でもあると同時に重要な経済的問題でもある。

しかし、専門家によるとまだ回復する見込みはあるという。
世界中にあるその他のサンゴ礁を見てみると、例えば、セーシェル諸島にある21個のサンゴ礁は、1998年に起こった白化現象から現在12個は回復したという(なお、他の9つは消滅した)。
パラオでは同じく98年の突発的な気温変動の後、多くは10年以内に回復した。
同様に、西オーストラリアの孤立したサンゴ礁では、90%が白化したが、6年間それが続いた後、2010年には回復したという。

もちろん、すべての白化が治るわけではないが、悲観するにはまだ早いという。
地球温暖化対策や、その他の環境負荷軽減のための施策を世界規模で行う必要があるという。
地球温暖化は変化がマクロ過ぎて、その因果関係を認めない人は多い。
しかし、少なくとも因果関係が疑われるものに関しては、解消していく努力をするべきだろう。
ニモの故郷が破壊され、ウォーリーのような未来が来るのかもしれない。

 西暦2805年。人間は、汚染し尽くした地球を捨て、世代宇宙船「アクシオム(AXIOM)」で生活していた。
ゴミの山と化した地球で、ただ一つ動くものの姿があった。彼がこの物語の主人公、WALL・E(ウォーリー)である。量産型のゴミ処理ロボットである彼は、人類が地球を去ってから700年間、何があっても、仲間たちが壊れて動かなくなっても、ただ黙々とゴミを圧縮し、積み上げ、塔を建て続けてきた。その過程で、彼は感情を持つというシステムエラーを起こしてしまう。wikipedia:ウォーリー (映画)

 

参考リンク

「温室効果ガス排出量 実質ゼロ」を目指すパリ協定が採択 押さえたいポイント6点 | サイエンスポータル

ソファでガンになる!?子供の健康に赤信号。

健康

ソファに使われている難燃剤がガンに関係しているという。

イギリスでは、この10年で甲状腺がん患者が74%も増えたそうだ。
その原因として、アメリカの研究者は難燃剤使用の増加を指摘したという。

デューク大学の科学者たちが、ハウスダスト甲状腺がん患者の血液サンプルを分析した結果、彼らはポリ臭化ジフェニルエーテル(polybrominated diphenyl ethers)(以下PBDEs)と呼ばれる難燃剤に高濃度曝露されていたことがわかった。

PBDEsの多くは2004年に使用が禁止されたが、それ以前に買ったものはまだ多くの人の部屋にあるという
また、甲状腺がんの患者は高レベルのTCEP*1にも曝されており、これも16年前に禁止されたものだという。
なお、PBDEsの中でも最もよく使われるデカBDEはまだ禁止されていないが、厳しく規制されているそうだ。

PBDEsはハウスダストが付着した食べ物や手を通して体に入る事が多く、子供への影響が特に問題になる。
何千件ものガン発生の原因となっていて、他にも学習障害精子減少症、不妊症と関係しているという。
また、PBDEsはソファ以外にも、マットレスやカーペットにも使われているそうだ。
イギリスではデカBDEは2年以内に禁止されるという。

現在、EUではRoHS指令(有害物質使用制限指令)によりデカBDEは規制対象になっているようだ。
また、2015年、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」においてデカBDEを国際的に廃絶対象物質に追加することが決定されたという。

現在、日本でも規制に向けて動いている真っ最中のようだ(つまりまだ使われている)。

現時点では(2016年 4 月)、deca-BDEの製造・輸入・使用の規制は無く、メーカーからの薬剤供給も継続しているが、2018年 5 月には、deca-BDEが化審法第一種特定化学物質に指定され、国内で製造、輸入、使用禁止になると予想されます。 
日本防炎協会

デカBDEは急性毒性、慢性毒性が低く、変異原性や発がん性も極めて弱いとされているため、今まで禁止されてきていないのだが、低濃度の暴露が長期間続いた場合のヒトへの健康影響についてはまだ十分解明されていないという。
そのため、大丈夫だろう、という前提で広く流通してしまっているようだ。
しかし、この度のイギリスの報告を見ると有害な可能性は高いだろう。

テッドみたいに、映画を見ながらカウチソファに座るという最高の楽しみのせいでガンになるなんて最低だ。

テッド [DVD]

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内容(「キネマ旬報社」データベースより)
下品な中年オヤジに成長したテディベア・テッドと大人になりきれないダメ男の友情を描いたコメディ。35歳のジョンは、ぬいぐるみのテッドと暮らしていたが…。
出典:amazon.co.jp

 

以下、情報共有のための参考リンク。

RoHS指令(有害物質使用制限指令)について(METI/経済産業省)

ストックホルム条約残留性有機汚染物質検討委員会第11回会合(POPRC11)が開催されました(METI/経済産業省)

POPs条約(METI/経済産業省)

アメリカの家庭 埃の中に有毒難燃剤

http://www.jfra.or.jp/summary/news/news206.pdf

wikipedia:ポリ臭化ジフェニルエーテル

 

 

*1:リン酸トリス(2-クロロエチル)

あなたの買い物は支配されている!?10の大企業とありあまるごちそう。

経済 ライフスタイル

たった10個の企業が世界中の、ほとんど全ての食料と飲料のブランドをコントロールしているという記事があった。

以下がそのリストになる。

ネスレ
ペプシコ
・コカコーラ
ユニリーバ
・ダノン
ゼネラル・ミルズハーゲンダッツ等)
ケロッグ
・マース(M&M等)
・アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ(紅茶のトワイニング等)
・モンデリーズ(オレオ等)

それぞれ数千の従業員を雇い、毎年10億ドルの収益を上げる大企業だ。
この記事は、消費者にその現実を意識させることで企業にポジティブな変化を期待するものだという。

この記事を読んで、『ありあまるごちそう』という映画を思い出した。

ありあまるごちそう [DVD]

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内容(「キネマ旬報社」データベースより)
歪んだ食の世界経済に迫ったフードドキュメンタリー。世界では120億人分の食料が生産されているが、同時に10億人が飢えに苦しんでいる。世界最大の食品会社や最前線で働く漁師、農家、家畜業者に取材を行い、飢餓が生まれるメカニズムを解明する。
出典:amazon.co.jp

この映画は食に関するグローバリズムの矛盾を描いている。
世界を十分に養えるだけの食料が生産されているのにもかかわらず、大企業は利潤を最大化する事しか考えていないので、原料を安く海外から大量に輸入し、そして余ったら容赦なく廃棄しているという。
原料の生産国は飢えているのに、それを輸入した国では大量に廃棄されているという現実がある。
企業は公益を第一としないため、このような矛盾が生じるのだ。

中でも最も強い印象を残すのがラストのネスレのCEOのインタビューである。
彼はジョン・ロックフェラーを彷彿とさせるくらい、取り付く島の無い資本主義の信奉者だ。
企業が儲からないものはすべて敵といった論調で、惚れ惚れするような自己正当化をしてのける。
その中で、水の民営化について語るだが、水の公益性を全く無視して、水が商品になったらもっとみんな水の大切さがわかるだろ?そうしたら水を手に入れられない人のためにそれを提供する必要が出てくる。と、もっともらしいが何を言ってるかわからない、というか単に水の利権を手に入れて儲けたいとしか考えていないのが丸出しで本当に凄い。
このアクセル全開な利潤追求が世界の現状を作っているのか~、と妙に納得してしまう程だ。

グローバル大企業による世界の支配には必ず矛盾が出てくる。
しかし、彼らの勢いを止めるのは到底無理だろう、全ての人の購買意識を流れに逆らって変える必要があるからだ。
個人が現実を知る事から始めるしかないが、世の中の流れが暴流過ぎてどうにもならないんじゃないか、とついつい思ってしまう。