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世界は狂っているから面白い

海外ニュースの紹介ブログ。映画好き。

新たな貧困ビジネス!?代理母産業とグローバリズムの闇。

第80回アカデミー賞脚本賞を受賞した「ジュノ」という映画がある。

予期せぬ妊娠をしてしまった16歳の女子高生ジュノの9ヶ月間の成長を描いたハートフル・コメディ。wikipedia: JUNO/ジュノ

十代での望まない妊娠をした女子高生が産む決断をし、自分で直接里親を探して、周囲のサポートを受けつつ出産するストーリーだ。
ジュノと里親は、会いに行ける距離に住んでいて、お互い顔も知っている同士である。
有機的なつながりがあって、結局、人と人のつながりがこのような問題を解決に導いてくれるのかもしれない。
しかし、これが顔の見えない相手同士だったらどうだろう。

今回、紹介するのは「代理母」をめぐるニュースだ。

”国境を越えた代理母:低所得の女性が生物資源として搾取される?”
(記事タイトル和訳)

記事ではグローバル経済とバイオテクノロジーの進歩が結びつき、世界中で国境を超えた代理母ビジネスが急速に発展しており、その結果、規制が緩い国の貧困者を生物資源に変えてしまう危険性を指摘している。

代理母とは別の人に子供を引き渡す目的で妊娠・出産することである。
このビジネスのベースとなっている技術はIVF(In Vitro Fertilization)、すなわち体外受精のことだ。
子供を授かることができないが、代理母に関する規制が厳しい先進国の人々が、インドのような低所得者の多い国へ代理母アウトソーシングを行っているという。
つまり、お金持ちの国の人々の子供を貧しい国の女性が代わりに産んであげるというビジネスだ。
これはグローバルな経済格差に基づいており、さらに、社会的な不平等が硬直化したインドのような国はこの産業にうってつけであるという。
臓器売買もそうだが、グローバル経済がもたらす弊害は常に社会的な弱者を食い物にする。

日本も他人事ではなく、数年前の記事だが、多くの日本人が海外の代理出産ビジネスを利用しているという。

 単に経済格差による搾取構造以外にも、代理出産には障害のある子供の引き取り拒否や中絶の強要など、様々な倫理的、医学的な問題がある。
国内での規制を強化するだけでなく、実際に起こっていることにどう対処するかも検討する必要があるのかもしれない。

映画「ジュノ」では近しい顔の見える人々のつながりの中で、事態を解決していったが、目の届かぬ遠い世界で行われるこれらのビジネスでは、出産の苦しみを想像する事などあるのだろうか。
ましてや、バイオテクノロジーの発展によって、新興国の女性が絹を織る代わりに赤子を生産しているのだ。
かつて厚労省大臣が国会で「女性は産む機械」という発言をして問題になったが、まさに女性を産む機械とするようなことが現実に起こっているのである。
ダーウィンの悪夢*1、ここに極まれりといったところだろうか。

*1:ダーウィンの悪夢:グローバリゼーションと経済格差の闇を描いたドキュメンタリー映画
wikipedia: ダーウィンの悪夢