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世界は狂っているから面白い

海外ニュースの紹介ブログ。映画好き。

コーヒーを飲むと長生きする!?最新の研究報告が示すコーヒーが身体に良いわけ。

ジム・ジャームッシュの「コーヒー&シガレッツ」という映画がある。
11の短編から成るオムニバス映画なのだが、その全てが登場人物がカフェでコーヒーと煙草を脇に、とりとめもない会話を楽しむだけ、というものだ。

コーヒー&シガレッツ [DVD]

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 コーヒーを一杯 タバコを一服 会話を楽しむ 人生を楽しむ 疲れたココロとカラダを癒してくれる、至福のリラックス・ムービー。
出典:amazon.co.jp

ゆったりとした時間が流れる映画で、何気ないひと時の面白さを感じさせてくれる作品だ。
この映画はタイトル通り、コーヒーと煙草が欠かせないアイテムとして配置されており、身体には良くないが人生にとっては愛すべきものとして描かれている。

そんなコーヒーと煙草だが、近年、煙草の健康被害は問題視され、増税と健康ブームで喫煙者は減少し、飲食店での全面禁煙など、どんどん肩身が狭くなっている。
しかし、その一方のコーヒーはというと最新の研究により、実は健康には悪くない、という発表がされたという。

Circulationという科学ジャーナルに掲載された論文。

Association of Coffee Consumption with Total and Cause-Specific Mortality in Three Large Prospective Cohorts | Circulation

この報告によると1日に5杯以上のコーヒーを飲む人は様々な原因による早死にのリスクが低下するという。

必ずしもコーヒーは長生きの秘訣とは言えないが、被験者を30年間追跡調査した結果、心臓病、糖尿病、脳疾患、自殺等の問題のリスクが日常的にコーヒーを飲んでいた人の方が低かったという。
このことは、コーヒーが直接それらの予防に役に立ったと証明するものではないが、以前よりコーヒーにはインスリン抵抗性*1や慢性炎症*2を抑える働きがある物質が含まれていることが知られている。*3

研究者によると、コーヒーに含まれる炎症を抑える抗酸化物質等の働きをもっと理解する必要があるかもしれないという。
また興味深いことに、デカフェ(カフェイン抜き)のコーヒーでも同様のリスク低下がみられたという。そのため、カフェイン以外の物質が関係していると考えられているようだ。

これらの発表はごく最近のものだ。長年、コーヒーは不健康だとみなされてきた。
しかし、その多くは70~80年代の研究を根拠にしているという。
それら過去の研究によると、コーヒーはガンと心臓病のリスクを高めるというものだが、これはコーヒーの愛好者に喫煙者が多いという事実を無視したものだった。
最新の研究では、コーヒーは健康リスクをわずかだが低下させるという。
ヘルシーなライフスタイルに、コーヒーを取り入れても飲みすぎない限り問題は無いという。

コーヒー&シガレッツ」のように煙草と抱き合わせにされることで、長年身体に悪いと、とばっちりを受けていたコーヒーだが、今後は健康の代名詞になる日が来るのかもしれない。
ただ、健康に良いのはもちろんうれしいのだが、なんとなくコーヒーの魅力が削がれるような気がするのは気のせいだろうか。
身体に悪いけど・・、のエクスキューズが「コーヒー&シガレッツ」に色気を与えていたような気がしてならない。

「精神にとって良いものはみんな身体には悪い」
友川カズキ

 

*1:インスリン抵抗性とは肝臓や筋肉でインスリンが正常に働かなくなった状態をいい、糖尿病の人が血糖値が下がりにくい原因だという。

*2:肥満の状態では免疫応答が過剰で,体内に慢性的な炎症が生じていることが知られており、それが2型糖尿病の発病につながるという。

*3:1型糖尿病は、すい臓のβ細胞が損傷したことによって全くインスリンが分泌されなくなることで発病する。それに対して2型糖尿病は、遺伝的に糖尿病になりやすい人が、生活習慣等をきっかけにすい臓の機能が低下し発病する。2型糖尿病の発病にはインスリン抵抗性が大きく関係していて、血糖値が下がりにくいためすい臓がオーバーワークで機能しなくなってしまうという。肥満や高血圧がインスリン抵抗性の原因だという。